非絶縁型DC/DCコンバーター
装置内部の電圧変換では、限られた基板スペースの中で効率よく必要な電源レールを作ることが重要です。特に非絶縁型DC/DCコンバーターは、入力と出力の間で絶縁を必要としない回路に適しており、産業機器、ITE、組み込み機器の電源設計で幅広く使われています。
このカテゴリでは、基板実装向けの非絶縁タイプを中心に、出力可変・固定、SIP、DIP、表面実装、ブリック系など、実装条件や負荷条件に応じて選びやすい製品群を掲載しています。用途に合う電源モジュールを比較したい方に向けて、選定時の見方や製品例をわかりやすく整理しました。

非絶縁型DC/DCコンバーターが使われる場面
非絶縁型は、同一システム内で既に共通グランドを前提としている回路に向いています。絶縁トランスを持たない構成のため、小型化しやすく、変換効率や実装密度を重視する設計で採用されることが多くあります。
たとえば、12Vや24V系の内部バスから、CPU・FPGA・通信回路向けの低電圧を生成する用途では、POLや基板実装型のDC/DCコンバーターが実用的です。安全絶縁やノイズ分離が設計上の必須条件でない場合、絶縁型DC/DCコンバーターよりも構成を簡潔にしやすい点も魅力です。
選定時に確認したいポイント
まず確認したいのは、入力電圧範囲と必要な出力電圧・出力電流の組み合わせです。設備や機器の電源バスが変動する環境では、入力範囲に十分な余裕があるかを見ておくことで、立ち上がり条件や負荷変動時の安定性を判断しやすくなります。
次に、出力が固定か可変か、あるいはプログラマブルかも重要です。複数機種への共通設計や微調整が必要な回路では可変出力タイプが便利ですが、回路を簡素化したい場合は固定出力のほうが適することもあります。さらに実装形状、高さ制限、放熱条件、使用温度範囲も、量産設計では見落とせない比較項目です。
実装形状ごとの考え方
基板実装型の非絶縁DC/DCコンバーターには、SIP、DIP、表面実装、ブリック系など複数の形態があります。小型機器や高密度実装では表面実装デバイスが有利で、保守性や置き換え性を重視する設計ではピン実装タイプが選ばれることがあります。
たとえばMurata LXDC2XQ33A-254は、非常にコンパクトな表面実装タイプの一例として、限られたスペースでの局所電源に向いたイメージを持ちやすい製品です。一方、Delta GroupのT31SN12008NNFAやT31SN12008NNFEのようなサーティセカンドブリック系は、より高い電力を扱う基板電源の構成で検討しやすく、装置向けの電源設計に馴染みがあります。
出力特性と負荷条件の見極め
低電圧・大電流が必要な回路では、負荷応答や配線条件まで含めて検討することが大切です。たとえばAdvanced Energy PTH12020LADは0.8V~1.8V帯の調整可能な出力を持つため、デジタルデバイス周辺の低電圧電源を意識した選定候補として見やすい製品です。
より大電流側では、Delta Group D12S300-1 Cのように高出力クラスのモジュールもあり、負荷の大きい基板セクションに対応しやすい構成を検討できます。逆に、比較的軽負荷で省スペースを優先するなら、Murata LXDC55KAAAA205やMurata LXDC2SCAAB-352のような小型クラスが候補になります。重要なのは、数値だけでなく、実際の負荷変動、基板レイアウト、冷却条件と合わせて見ることです。
メーカーごとの製品群を比較する視点
このカテゴリでは、MurataやDelta Group、Advanced Energyといったメーカーの製品が中心です。各社で得意とするサイズ帯や出力レンジ、実装スタイルに違いがあるため、単純に型番だけでなく、用途との相性で見比べるのが実務的です。
Murataは小型実装や基板上の分散電源を想定した比較で見やすく、Delta Groupは100Wクラスを含む基板実装モジュールの選択肢として検討しやすい構成があります。Advanced Energyは低電圧・高電流寄りの設計やPOL用途を意識した比較対象として有用で、装置内部の負荷条件に応じて候補を絞り込みやすくなります。
産業機器・ITEでの導入時に意識したいこと
産業用途では、単に定格が合うだけでなく、周囲温度、連続運転、実装密度、保守性まで含めて評価する必要があります。ITE向けの設計でも、負荷急変や筐体内温度上昇に対して余裕を見た選定を行うことで、後工程のトラブルを減らしやすくなります。
また、非絶縁型を選ぶ場合は、システム全体のグランド設計やノイズマネジメントも前提条件になります。もし回路分離や安全要件の観点から絶縁が必要であれば、カテゴリの違いを踏まえて絶縁型製品と比較検討するのが自然です。用途が明確であれば、入力電圧帯、必要電流、実装サイズから候補をかなり絞り込めます。
このカテゴリの見方と選び方の進め方
製品一覧を見る際は、まず入力電圧範囲、次に出力電圧の固定・可変、そして最大出力電流や実装形状の順で絞り込むと比較しやすくなります。さらに、機器の電源アーキテクチャに合わせて、局所電源なのか中電力のバス変換なのかを整理しておくと、候補の方向性がぶれにくくなります。
非絶縁型DC/DCコンバーターは、装置内部の電圧変換を効率よく構成したい場面で有力な選択肢です。小型の分散電源から高出力の基板実装モジュールまで幅があるため、必要な電圧・電流・実装条件を軸に比較しながら、用途に合った製品を選定してみてください。
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